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Bob Seger & the Silver Bullet Band “Face the Promise North American Tour 2006-2007”
2007年3月1日 米国 カリフォルニア州 ロサンゼルス イングルウッド 「ザ・フォーラム」


Bruce Springsteen、John Mellencamp、Tom Pettyとならぶハートランドロック四天王の一人、そして自分にとってはまだ見ぬ最後の大物ロッカー。
Bob Segerは95年のアルバム『It's a Mystery』を最後に昨年まで鳴りを潜めていました。 引退説や喉頭ガン説も囁かれており、もうライヴは見れないものと諦めておりましたが昨年久々の新曲「Wait for Me」を発表、さらに9月にはニューアルバム『Face the Promise』がリリースされ、出来の方も最高傑作とは言わないまでも、まずまずの完成度だったのでひと安心。
しかしアルバムのクレジットはバックバンドであるThe Silver Bullet Bandではなく本人のソロ名義だったので、ツアーがあるのかどうかは懸念されていましたが、2006年の末から2007年にかけての北米ツアーが発表。 しかもツアーにはThe Silver Bullet Band名がちゃんと入っていて、これには狂喜乱舞しました。
チケットはチケットマスターのサイトにて渡米前に事前に確保。 PDFファイルで送られてきたものをプリントアウトして持って行き、入場時にバーコードを読み取るという方式です。
7時半開始のところをジャストに会場入り。 と同時に前座のバンドが演奏を始めました。 ちょっ聞いた感じでは同じようなタイプで悪くはなかったのですが、ほとんど観ずに、演奏する音を聞きながらグッズ売り場の長蛇の列に並ぶ。 Tシャツを4枚ほど購入。 65ドルのチケット代よりも高くなってしまいましたが。 (笑)
前座が8時10分頃終了。 座席について開始を待ちます。 
ポジションは舞台向かって右側の1階席前方の前から13番目。 観やすくて思っていたよりもなかなか良いシートです。
8時35分に「開始5分前」のアナウンスがされ場内が沸き、表でグッズやビールを買っていた人たちが大挙押しかけて中に戻ってきます。
BGMが大音量で流れる中、8時45分客電が落ち、超満員の大観衆に応えながらステージにBob Segerが登場。
オープニングの「Roll Me Away」に早くも涙がちょちょ切れてしまいました。
中央の一段高くなった場所にドラムスとパーカッションのW打楽器、右側にはピアノとキーボードのW鍵盤がセットされており、左側のコーラス隊の場所ではタンバリンを叩くメンバーが配置されていて、全盛期と遜色のない圧倒的なパフォーマンス! Bobも声が物凄く良く出ていて、こんな調子で最後まで持つのか懸念していましたが、それは要らぬ心配でした! Bobは腕をくるくる回してからドラムに合わせて拳を突き上げます。
2曲目は「Tryin to Live My Life Without You」で、右手上のお立ち台にホーンセクションが登場。
3曲目でBobはドラムセットのところに置いてあった鉢巻をし、「ニューアルバムからの曲」と言って「Wreck This Heart」を、そしてアコギを手にしてAlto Reedを紹介、アルバムバージョンと同じAltoの強烈なサキソフォーンのイントロが鳴り響き「Main Street」を演奏。 同タイプのバンドThe E.Street Bandのサックス奏者Clarence Clemonsの豪快でロックンロールなサックスもいいですが、 Altoのはもっと流麗でメロディアスなソロを吹きます。
左手のお立ち台にコーラス隊の3人が登場。
もはやロッククラシックになってしまったロックンロール賛歌の「Old Time Rock'n' Roll」にまたもや涙。 館内の客電が点き、Bobは観客を煽り場内は大合唱です。
再びアコギを手に持ち、「またニューアルバムから」と言って「No More」、そしてエレクトリックギターに持ち替え、「新譜のタイトルソング」と言って「Face the Promise」、この辺の新曲群も、かつての往年の名曲と遜色のない演奏で全体の流れにしっくりと馴染んでいてGoodです。

続いては軽快なノリのいい2曲、「Sunspot Baby」と「Betty Lou's Gettin' Out Tonight」を続けて演奏。 各楽器の音がドデカく聞こえて会場の音響状態も最高。
「We've Got Tonight」では舞台の照明が落ち、Bobはスポットライトの当たった舞台右手のピアノの前に座り、ピアノの弾き語り。 これもオリジナルと全く同じアレンジで、大麻の香りが漂う場内にはライターの灯りが点滅し観客の静かな合唱。 次もピアノを弾きながらのナンバーで、「72年の曲」と語って「Turn the Page」、しかしこのようなタイプの曲もBobに合わせて観客全員が歌詞を最初から最後まで合唱するとはいったい何ということでしょう! 物凄い大合唱! この曲は舞台左端のお立ち台にてAltoがサックスを吹き、右側のBobがピアノ、ほとんど2人だけでの演奏です。 曲が終わると2人は両端から舞台中央に歩み寄り、お互いの拳を合わせるという感動的な名場面。
「32年前の曲」と語って「Travelin' Man」、もう一人のThe Silver Bullet BandのオリジナルメンバーであるベースのChris Campbellは(これまで写真でしか見れなかった)お得意の片足を機材に乗っけての演奏。 続いてメドレー形式で「Beautiful Loser」へと続けます。 最後にBobは観客に向かって「I Like You」と感謝の言葉。
そしてVince Gill作の「Real Mean Bottle」、BobはMCで「ニューアルバムからの曲でKid Rockと一緒にレコーディングしたナンバーなんだけど、実はここにKid Rock本人が来ている!」と紹介すると、舞台右袖からなんとKid Rock本人が登場! その瞬間、アリーナは大きくどよめき、観衆はほとんど発狂していました!(笑) この曲は本ツアーではバンドのメンバーであるDon BrewerがKid Rockのボーカルパートを歌うはずなのですが、ご本人の飛び入りがあれば勿論それにこしたことはありません。 まさにビッグなサプライズでした。 当然、2人のデュエットはバッチリ、また間奏でのソロの方はリズムギター、ピアノ、リードギターの順番で展開されます。 
9時50分、ここで第1部が終了して休憩タイム。 客席の明かりが点き、BGMにはThe Beatlesの「Hey Jude」が流れます。

(Main Street)

(Old Time R&R)

(We've Got Tonight)

(Real Mean Bottle  w/Kid Rock)
休憩はかなり短くって、5分ほどで終了。 9時55分から第2部が開始。 第2部のオープニングは新曲の「Simplicity」、悪い曲なわけではないけれど、この曲は個人的には新譜の中ではあまり好きな方ではないのですが、まだ休憩から自分の席に戻ってない客も多く、彼らのためにあえて見逃してもいい(笑)この手の曲を初っ端に持ってきたのでしょうか??
そして、「68年の曲」と説明し、ファーストアルバムから「Ramblin' Gamblin' Man」、次にBobはバックのホーンセクションであるMotor City Hornsの4人をサックス、トロンボーン、トランペット2人の順で紹介、「チャックベリーのナンバーを演奏する」と語り「C'est La Vie」、これはロックンロール・ピアノにホーンが絡んだノリノリで楽しいパフォーマンスでした。
続いてスタッフがステージに椅子を並べ、ギタリスト各人はアコギを手に着席、Bobは「カリフォルニアの出身!」とバックコーラスのLaura Creamer紹介し、新譜ではPatty Lovelessが歌ったボーカルパートをLauraが担当して「The Answers in the Question」、 Lauraの歌声に客席からは大きな拍手が。
そしていよいよ終盤戦。 「Fire Down Below」に「The Horizontal Bop」、Alto Reedはサックスを吹きながらお得意のダックウォークを披露してくれます。

そしてメンバー紹介。 まずはコーラス隊から、Shaun Murphy、Barbara Payton、Laura Creamerの順に紹介。 続いてリードギターのMark Chatfield。 独特の風貌のオリジナルメンバー・ベースのChris Campbellにはひときわ大きな歓声が。 ドラムスはGrand Funk RailroadのDon Brewer。 リズムギター(兼キーボード)のJim Moose Brown紹介時には客席から、「ム〜〜〜ス!」という声援。 ピアノのCraig Frostが紹介され、そして最後に「71年からのメンバー」と言ってサックスのAlto Reedを紹介。
「OK! ロックンロール!」と叫び最後の曲「Katmandu」、サビの部分でBobが叫ぶ「カ・カ・カ・カ・カ・カ」ではそれに合わせて小刻みにドラムが打たれ同時に照明が点滅。 ライヴ映えする長尺の大作で見事締めてくれました。 メンバー全員で舞台最前に並んで挨拶。 もちろん、観客のアンコールを求める声は鳴り止みません。

(The Answers in the Question)

Chris Campbell  

(Katmandu)

(Night Moves)
Bobが再びステージに現れ、アコギを手にしてあの名曲のイントロを爪弾きます。 その「Night Moves」にまた涙。 この静かな曲でもBobの歌に合わせて観客の大合唱。 特にこの曲は終盤で語りのような部分があるのですが、その部分も含めて一緒に歌う(語る?)アメリカ人の観客達には凄いものがあります。 この辺の反応は本国アメリカの聴衆ならではでしょう。 この感動的な曲を聞きながら、その自伝的な歌詞の中でBobに歌われてる相手方の女性ももういいお婆さんなんだろうな〜なんてしょうもないことをふと思ってしまいました。 (笑)  バックにかぶさる女性コーラスもレコードそのまんま。
そして至上屈指の疾走感溢れるロックンロール・ナンバーであり、自分の最も好きなBob Segerの曲である「Hollywood Nights」、これにはこの日一番の涙にくれて大声で一緒に歌ってしまいました! オリジナルアルバムではフェイドアウトで終わるこの曲のエンディングは、2枚組のライヴ盤『嵐の呼ぶ声』の同曲と同ように、最後に叫ぶ「ハリウッドナイト!」の残響が響き終わるというパターン。 欲を言えば、できればこれはハリウッドボウルあたりの会場で聞きたかったという気もしますが、LAにちなんだ曲に観客は大爆発していました。
( ←Hollywood Nights) 
バンドが引っ込むと観客は足を踏み鳴らして館内轟々たる歓声。

セカンドアンコール1曲目では再びアコーステックギターを手にしての「Against the Wind」、アコギとピアノのコンビネーションが最高です。 
そしてオーラスは「Rock and Roll Never Forgets」!
10時55分に大盛り上がりの中、コンサートは終了。
これまで数多くのライヴを見てきましたが、Bob SegerとThe Silver Bullet Bandのライヴはホント最高でした。 昨年まで引退同然の隠遁生活を送っていたのはいったいなんだったの?と思ってしまうような期待以上の最高の仕上がり具合。 自分が生まれてこの方観てきた中でも5本の指に入る素晴らしさで、またライヴを見て涙したのも久々です。 しばらくブランクがあったので、最初は懐メロでも仕方ないか?と思っていたのですが、全然そんなんじゃなかった、、、 Bobの声は素晴らしくよく出ていて、それが最後まで全く衰えることなくハイテンションのまま続き、バンドの各メンバーの演奏ぶりやコンビネーションも最高。 元々の歌詞や楽曲自体が良いのは言うまでもありませんが、全く信じられないパフォーマンス。 これが還暦過ぎた男のステージでしょうか? 選曲も曲順も、昔の曲と新曲を上手く配置し見せ場を作り、これ以外には考えられないというほどの構成だと思います。 また観客もバンドと一体になって合唱し盛り上がり、会場的にもこのイングルウッド・フォーラムは音質が最高に良い小屋なので、どの点をとっても非の打ち所の無い完璧なステージでした。 
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